#02 香りが、記憶を呼び覚ます理由。

#02 香りが、記憶を呼び覚ます理由。

香りが、記憶を呼び覚ます理由。

街中ですれ違った香りに、ふと誰かのことを思い出したことはありませんか。もう会えない人、遠く離れた場所、幼い頃の夏休み——香りというのは不思議なもので、言葉や写真では辿り着けない記憶の場所まで、一瞬で連れていってくれます。

プルースト効果とは何か

この現象には、名前があります。「プルースト効果」と呼ばれるもので、フランスの作家マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』が由来です。作中で主人公が紅茶に浸したマドレーヌの香りによって幼少期の記憶を鮮明に思い出す場面が、この現象の原典とされています。
なぜ香りだけが、これほどまでに記憶と結びつくのでしょうか。その答えは脳の構造にあります。視覚・聴覚・触覚・味覚は、一度「視床」という脳の中継地点を経由してから感情や記憶を司る部位に届きます。
しかし嗅覚だけは、この中継を経由せず、感情と記憶を直接処理する「大脳辺縁系」へダイレクトにアクセスします。五感の中で、感情と記憶に最も短い距離で届く感覚——それが嗅覚なのです。

「忘れない」ために、香りを選んだ

Maison de Tracéがフレグランスというプロダクトを選んだ理由は、まさにここにあります。写真は見なければ思い出せません。動画は再生しなければ伝わりません。しかし香りは、ふとした瞬間に自らやってきます。
朝の支度中に、電車の窓際で、夜眠りにつく前に——纏っている香りは、意識せずともその人のことを運んでくる。
大切な人のことを、日常の中で「自然と思い出す」体験を作れるとしたら、それは香り以外にないと私たちは考えました。

記憶は、これから作ることができる

プルースト効果は、過去の記憶を呼び起こすだけではありません。これから纏う香りが、未来の記憶の起点になるという側面もあります。初めて開けたあの朝、コンサートの帰り道に纏っていた香り、好きな人の前で初めてつけた日——今日から始まるすべての瞬間が、香りとともに記憶に刻まれていきます。

Maison de Tracéのフレグランスが、あなたにとって大切な記憶の一部になれたなら、これ以上嬉しいことはありません。

Maison de Tracéのコレクションは、そういう記憶の起点になることを想定して設計されました。

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